題目
創造行為を伴う遊びCreatioのためのデザインメソッド
A Design Method for Creatio,Entertainment with Creation
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概要
本研究では,創造行為を伴う遊びにおける楽しさを生成するメカニズムとしてDynamic Feedback Flow Mechanism(以下DFFM)を提案する.この創造行為を伴う遊びとは,社会学者カイヨワによる遊びの4領域から欠落していた,実際にモノを創造して楽しむという行為を指す.この遊びを,本研究ではCreatioと呼び,遊びにおける第5領域として定義する.DFFMと同様に,Funを目的とした研究領域にFunologyがある.Usability研究者が中心となって体系化されたFunologyは,Funの評価に主眼を置き,その生成メカニズムを解き明かすものではなかった.また,Funの状態に注目した社会学者チクセントミハイのFlow理論をHCIに導入しようとするFlow研究は,妥当なFlow生成メカニズムを構築するに至らなかった.一方,DFFMと同様に,HCIの領域では,デザインメソッドとしてパタン研究が行なわれてきた.パタン研究は,決定論としてPatternを捉えていることから,Pattern同士をインテグレイトする際のPatternで補うことのできない残余が発生する.この問題を解消する試みが確率論的なパタン研究である.人類学者ベイトソンによるパタン研究は,サイバネティクス的アプローチに基づき,Patternを確率過程の痕跡として捉える.さらに,ベイトソンはフィードバックメカニズムを通じてパタン生成メカニズムを構築した.このようなベイトソンの試みを踏まえ,本研究では,サイバネティクス的アプローチに基づいたパタン生成メカニズムとして,DFFMを構築した.DFFMは,フィードバックプロセスにおけるスタティックな構成要素の操作を通じて,Creatioのフレームワークを構築することができる.そして,時間軸のパラメータのダイナミックな操作を通じて,CreatioにおけるFlowを生成することができる.同時に,Flowへ至る過程で痕跡としてのPatternを引き起こすべく,キャリブレーションとしてのパタンプラクティスを行なう.以上,DFFMにおけるメカニズム,ダイナミクス,およびパタンプラクティスが,Creatioのためのデザインメソッドの全体像である.このデザインメソッドを用いて2つのCreatio(Suirin / MYSQ)を設計し,仮説の検証を行なった.仮説検証手法として,HCIの領域において採用されてきたFlow評価手法を採用し,評価実験を行なった.その結果,これらのCreatioにおいてユーザはFlowにあることがわかった.したがって,本デザインメソッドにより,デザイナは,高精度でFunを生み出すCreatioを設計することが可能となる.同時に,ユーザは,設計されたCreatioを通じて,楽しみながら創造行為を享受することが可能となる.



